サプリメント(健康食品)、規制緩和で安全性・有効性の審査が形骸化か




サプリメント(健康食品)、規制緩和で安全性・有効性の審査が形骸化か

1.消費者が慎重に選ぶ時代(いいのかな?健康に関する規制緩和!)
忙しい現代人にとって日頃の食生活だけで栄養バランスを補えるのは難しくなってきていますね、手軽にバランスをサ
プリメントは重宝しますよね。
ただ、サプリメントがあまりに多く出回っていて、どれを選んでよいものか迷われることも少なくないと思います、商品ラベルも大事な判断材料ですが、そこに記載される内容はどこまで信用できるか、考えてみたことはあるでしょうか?
今、その規制が変わったことは、あまり知られていないのではないでしょうか、今日マルチビタミンやコラーゲンなど、サプリメントは日本人にとっても決して特別なものではありません。
若者はもちろん健康を気にする中高年や関節痛等に悩む高齢者にも使用が広がっているようです、薬よりも気軽に手を伸ばせる健康食品という位置づけのせいかもしれません。
2.機能性表示食品が4月にスタート「健康食品の機能性表示を解禁いたします」
この施策を、私たち消費者は果たして歓迎してよいものでしょうか、考えてみましょう。
2015年4月から新たな機能性表示食品制度がスタートした、安倍晋三首相は国民が健康を自ら守ると共に、特に資本力の弱い中小企業・小規模事業者のビジネスチャンスのために、米国の制度を参考に世界最先端の新制度をつくると胸を張り、このように宣言した。
だが科学的裏付けを欠く米国サプリメントを手本にした国の審査・許可不要の新制度で、果たして国民は健康になるのだろうか。
3.「トクホ」と「サプリメント・健康食品」の違いは
高度経済成長時代が終わり飽食の時代を迎えた1980年代、生活習慣病に関する報道が多く出たことで健康志向が強まり、体調を整えるなどの食品の機能性にスポットライトが当てられ一方で医薬品まがいのサプリメント・健康食品が横行し、さまざまな健康被害が起きました。
当時厚生省は91年、健康食品の中で機能性を表示できる例外として特定保健用食品(通称・トクホ)制度をスタートさせました、トクホは食品の有効性(機能性)・安全性について国の審査を受ける事で表示も可能となりました。
2001年、トクホに次いで栄養機能食品制度が創設され、これはビタミンとミネラルの栄養成分の機能を表示できるがトクホと違い国の審査・許可は必要がなくなりました、トクホと栄養機能食品の2つは、総称して保健機能食品と呼ばれま す。
サプリメント・健康食品の中からこの保健機能食品を除いた、錠剤・カプセル・粉末などの医薬品同様なに形状のサプリメント、栄養補助食品や健康補助食品などは、サプリメント・健康食品と呼ばれています。
トクホであれば、「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収を穏やかにします」などの表示が許されるますが、「サプリメント・健康食品」では、「毎日を健康に過ごしたい方へ」「いつまでも元気に歩きたい方へ」など、あいまいなイメージ的表現しか許されません。
4.企業と消費者と両社WinWinであって欲しい
「サプリメント・健康食」”に加え野菜などの生鮮食品や一般の加工食品など、すべての食品の場合には下記の内容に規定されています。
国が定めるルール(食品表示法の食品表示基準)に準拠し、企業の自己責任で食品の安全性・機能性に関する科学的根拠などの必要事項作成、販売予定の60日前までに消費者庁長官に届け出る事で、「トクホ」同等の機能性表示ができる というのが機能性表示食品です。
厳しい審査・許可を受けずに届出だけで、トクホと同等の表示ができる機能性表示食品は、まさに「いいとこ取り」ですね、これは企業に対して極めて異例な特別待遇ではないでしょうか。
5.良いものを送り出す事になれば
どうして、このようなことになったのでしょうか?。
規制改革会議の検討項目の1つとして、「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」についての議論が行われた。
そこでは特に
(1)栄養機能食品は対象成分がビタミンなどに限定されている
(2)トクホは安全性・有効性を確認するための臨床試験(ヒト対象試験)が必須でありそのための時間と多額の費用がか かり中小企業にとってはハードルが高いなどの問題が指摘された。
その結果14年6月半ば機能性表示を容認するとした「規制改革実施計画」と「日本再興戦略」について、閣議決定がなされた。
それは
(1)米国のダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にする
(2)国ではなく企業などの責任で科学的根拠を基に機能性を表示できるといった新たな方策を検討するために消費者庁に「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」が設置されました。
14年7月末、食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書が作成され、それを受けて「機能性表示食品」が食品表示法に基づく食品表示基準に定められ、同基準は2015年3月に公布され、4月から施行された。

6.科学的裏付けを欠く心配も
ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らの報告によれば、米国では1988-1994年の成人のサプリメント利用が42%だった のに対し、2003-2006年には53%に増加。
特に最も利用されているマルチビタミンのサプリメントは30%から39%にまで伸びています。
次いでカルシウム製剤、オメガ3脂肪酸(魚油由来のDHAなど)が後に続きます。
それに伴い米国のサプリメント業界も成長を続けています、2010年には年間の売り上げが28億ドル(約2.8兆円)に達し、こうした傾向は英国や欧州でも見られると言います。
もちろん有効性が裏付けされたサプリメントもあります。
例えば、妊婦は葉酸が欠乏しやすく、胎児の先天性欠損症の原因となりますが、予防には葉酸のサプリメントが効果的 です。
ただ、米国人がサプリメントを愛用する理由については、「骨を強くしたい」「コレステロールを下げて心疾患を予防 したい」といった特定の目的に基づくとは限らないと、NIHの栄養疫学者らは報告しています。
人々はサプリメントによって漠然と、より健康的で好ましいライフスタイルを実現したいと考えているようで、
実際、医師や専門家の指導の下に使用されているサプリメントは、全体の4分の1に満たないという調査結果でした。
日本の機能性表示食品制度の参考にしたのが、米国の、食品の補充を意味する「ダイエタリーサプリメント」の制度です、これは日本の厚労省に当たる食品医薬品局(FDA)の許認可は不要で、販売後30日以内にFDAに届出をすれば、事業者の自己責任で「関節の健康促進に寄与します」など構造・機能表示が可能だ。食品は錠剤、カプセル、粉末などサプリメントに限られ、疾病リスク低減表示はできない。
ただ、この米国の「ダイエタリーサプリメント」には大きな問題があり、米国保健福祉省監察総監室の12年の報告によると、次の事を指摘しています。
同監察総監室が、体重減少・免疫機能に関する127の製品を対象に表示の適切さについて調査した結果、127製品について事業者から提出された557件の臨床試験データのうち、有効性に関する表示内容を実証するために重要な4点(表示とその根拠)のすべてについて考慮したと考えられるのは、1件もなかったという。
また、20%の製品では禁止されているにもかかわらず、疾病に関する表示がなされていた。
7.安全性の証明不要
なぜサプリメントで健康被害などという事態を招いたのでしょう?
サプリメントの位置付けは、薬でも食品でもありません、どちらかと言えば食品寄りで、販売前にFDAの承認を必要としません、つまり安全性や有効性、科学的根拠に基づくことを、証拠をもってFDAに証明する必要がないのです。
それどころか、含まれる成分が副作用を引き起こすことが知られていても、製造業者は副作用について消費者に通知する必要さえないのです。
サプリメントのラベル表示の内容が正確かつ真実であること、安全であることは、製造業者や販売代理店の責任です。
「この製品は栄養不足を助け、健康をサポートします」または「健康上の問題のリスクを低減します」と表示することも、効果が本当であれば可能です。
ただし同時に、「これはFDAによって評価されていません、この製品は疾病の診断、治療、治癒、予防を目的としたものではありません」とも示さなければなりません。
また、「特定の疾患または状態の治療、予防または治癒」などと表示した場合は、未承認薬となるので違法です。
もちろん、先にご紹介した例のように実際に問題が起こり、安全でないことをFDAが発見した場合は、FDAは業者に警告を発するか、市場から製品を排除するなどの行動を取ることができます。
8.消化器・皮膚系が多い日本の健康被害
一方、日本の“いわゆる健康食品”などの健康被害について、こんなデータがあります。
食品の新たな機能性表示制度に関する検討会の資料によれば、09年4月~14年2月末に消費者からの申し出が約2700件(ただし、因果関係などは未確認)あった。
特に消化器や皮膚系の事故情報が多く、「サプリメントを飲んで激しい腹痛、下痢、嘔吐で脱水症状になり、1 日入院した」「健康食品を購入して1カ月ほど飲んでいたら、顔に湿疹が出てきた」などのほか、治療に1カ月以上かかった例 が167件あった。
また13年の重大事故として、健康食品の1カ月服用による急性肝炎や、健診で薬剤性肝障害と診断されたケースもある。
9.“いわゆる健康食品”への期待と依存
内閣府の実態調査資料によれば、日本国内における健康食品・サプリメントの推定市場規模は1兆4746億円、潜在規模はその倍以上とされています。様々なメディアも1~2兆円市場と報道しています。
サプリメントは今や量販店やコンビニでも手に入ります。専門家の指導の下に購入する機会など、実のところ圧倒的に少ないのではないでしょうか。
そうした状況で、安易に機能性を謳えるようにしてしまうことが、本当に消費者の利益につながるかは疑問です。
また一方ではサプリメント・健康食品は薬ではないので穏やかに不足がちな栄養素を補給する事によって不足する事で 身体に現れる不調を整えていく、この基本的な考えを持ってサプリメント。健康食品を摂取する事ではないでしょうか。
今回の規制緩和では米国式表示とまでは行きませんが、今後さらに変わっていく可能性も否定はできませんので、十分 注意が必要です。
いずれにしても健康増進・維持には、適度な運動とバランスのいい食事、睡眠が基本です。サプリメントを活用してメ リットを得たい場合は、慎重にその必要性を検討すべきでしょう。
今回の規制緩和が、単なる市場拡大だけでなく、サプリメントの正しい知識と利用、ひいては国民の健康につながるこ とを当然の目的としているはずです。
14年3月、15~79歳の全国男女3000人対象の消費者庁の調査では、興味深い結果が出ています。
それによれば、調査前の1年間に健康食品を摂取した人は全体の4割以上(43.8%)で
(1)妊娠中・妊娠計画中
(2)20~64歳(なんらかの疾病あり)
(3)中学生以下の子どもに健康食品を与えている
(4)65歳以上の高齢者の順で多かった
摂取した健康食品の種類は全体でトクホが4割以上(44.7%)で、次いで「サプリメントいわゆる健康食品」が4割近い(38.4%)。
なぜサプリメントを摂取するのだろうか自分自身に言い聞かせてサプリメント・健康食品を選びたいものです。
10.届出制度でメリット&デメリット
効果があるかもしれない、または効果がないかもしれない、というだけなら問題はありません、自分に合ったものを選 び直せば良いのですからでも?。
サプリメントは充分に注意しないと安全性についての問題もあります。
病気の治療にも悪影響が懸念されます、サプリメントは、疾患を治療、診断、緩和、予防するものではありません。
治したり予防したりできないだけならまだしも、他に投与中の医薬品の効果を妨げたり過度にしたり、手術前や特定の 健康状態に不必要な影響を与えることも報告されています。
機能性表示食品について、消費者団体などはどう見ているのか。日本生活協同組合連合会はまず「消費者庁は米国の表 示制度について、消費者の健康保護、利益確保の観点から、より慎重な姿勢で検討し、食品表示基準(案)として整理 したことを評価」とした。
確かに消費者庁は米国のダイエタリーサプリメント制度を、日本の反面教師にした形跡がうかがえる。米国の「販売後の届出」を、日本は「販売前の届出」にした。また、機能性の科学的根拠としてヒト対象の臨床試験か、研究レビュー(発表された研究論文などの文献をすべて見て評価)が必要などとする事業者向け全111ページに及ぶ「ガイドライン」を公表した。だが、片や日本生協連は、こうも指摘している。

「届出制度が形骸化してしまえば、米国のように、科学的根拠に基づかない商品が流通することによって、消費者の健康が損なわれるおそれがある」当初から新制度に反対の全国消費者団体連絡会は「重大な懸念は届け出た機能性成 分の安全性や効果について、国や公平な第三者機関による科学的な評価を受けていないこと」として否定的だ。
健康不安と健康被害の狭間に立つ消費者は、何をどうすればよいのか。先の食品の新たな機能性表示制度に関する検討 会委員の梅垣敬三国立健康・栄養研究所情報センター長は「バランスのとれた食事や運動などの生活習慣が、健康の保 持増進の基本です」と諭す。ただある意味で今までと変わらないという考え方も出来る、トクホなど科学的な裏付けを得ているものと、そうでない物は現在も混在しているわけで消費者が制度をよく理解して選別する自覚を今まで以上に持つ必要があると言う事ではないでしょうか、現在医学は対処療法で血圧が高ければ降圧剤を、癌になれば切り取る、膝が痛くなれば鎮痛剤を、根本原因を排除する事は苦手です、でも多くの人は根本原因をなくしたいと思いその方法を探しているのです、私は現代医学の治療も毒を持って病を征し一歩間違えば死に至ります、漢方薬も身体の根本の不具合を治しますがやはり毒性の強いものもあります、サプリメント・健康食品は二つに比べ毒性は弱いですが基本的に違うのは摂取する本人が判断しなくてはならないという点です、これさえ誤解する事が無ければ自分と家族の幸せを図る事が出来るのではと考えています。




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